香港から深センへの移動には「高速鉄道」を使おう ————2019年版最新深センへの行き方

深セン中国,深セン

 

これまで当ブログオススメの深センへの行き方は、香港国際空港からフェリーで蛇口まで移動をするか、香港国際空港から一度香港へ入り、上水駅ないし羅湖駅までMTRで移動をする方法であった。しかし2018年に深センと香港の間には中国版の新幹線である高速鉄道(高铁: ガオティエ)が開通。香港と深センはわずか15分でつながるようになったのである。今回はこの高速鉄道を用いて香港から深センへ渡航する方法を紹介しようと思う。

中国版新幹線が香港〜深セン福田/深セン北を結んだ

高速鉄道が結んでいるのは、香港にある「西九龍駅」と深センの「福田駅」「深セン北駅」。西九龍駅からは、福田止まりの路線が出ているほか、深セン北を経由して広州まで赴く路線が走っている。

深セン北駅行きは10分〜20分に1本、福田行きは30分に1本ほど運行されている。時刻表に関しては、MTRの公式サイトからも確認出来る。

オススメは「福田行き」

福田と深セン北の位置関係を把握しておこう。福田駅は深センで人気のスポットである華強北と非常に近く、老街などの繁華街へも近い。一方で深セン北駅はこれらとは少し離れているところに存在する。つまり、深センへ到着したあとの移動を考えれば、使用するべき駅は断然福田である。

深セン北駅は、もともとは長距離列車が出発するターミナル駅だ(長距離列車は、「动车」「火车」と呼ばれる)。もちろん深セン北からも繁華街へ移動することは可能なのだが、移動の手間を考えれば福田駅を使うほうが簡単であろう。

行きは7時から、帰りは23時近くまで走っているため、日帰りも可能だ。

チケットの購入は香港西九龍駅で


(このチケットは西九龍駅で購入したものではなく、インターネットから予約したものである)

チケットの購入方法であるが、香港西九龍駅で購入することが出来る。西九龍駅には中国側の運営する窓口と香港側の運営する窓口のふたつが存在しているが、外国人であればどちらの窓口でも購入は可能だ。購入に際してはパスポートが必要となる。

語学が心配という方もいらっしゃるかもしれないが心配はない。福田に行きたければ、「Futian(フーティエン)」と伝えればむこうには伝わるし、心配であればGから始まる電車の番号を伝えれば問題はない。

なお、チケットを購入する際には1時間以上先に出発する電車から選択するようにしよう。というのも、高速鉄道を利用する際の入国・出国手続きは全て香港側にまとめられており、香港西九龍駅で香港からの出国と中国への入国を行うこととなる。これらの手続きには30-40分程度を要することもあり、しかも電車を逃した場合にはとくにケアをしてくれることなくチケットを再度購入する必要がある(ご丁寧に、電車を逃してしまった人用のチケット購入窓口が設置されている)。

インターネット予約をおすすめしない理由

一応、香港ではMTRのウェブサイトから、中国からはCtrip等からインターネット予約も可能なのだが、あまりオススメはしない。というのも、インターネットで予約した場合にもチケットの受け取りに当たっては有人カウンターへ行く必要があるためだ。しかもこの有人カウンターは意外と混雑していて、チケットをその場で購入するのと手間は大差ない。香港と深センを結ぶこの路線は混雑で乗れないということもほとんど存在しないため、インターネットで予約をしていく必要はあまりないと思う。

SIMの準備を忘れずに

中国からはGoogleやTwitter等、米国系のインターネットサービスに接続することが出来ない。中国国内のGoogle Mapは使い物にならないし、Twitterやfacebook等はインターネット断ちだと思えば耐えられないこともないが、やはり日頃見知っているウェブサービスに接続出来ないというのはこころもとない。そんな場合には、日本から香港のSIMカードを持ち込んでおくことを強く推奨する。

香港のSIMのうち、上記のように中国国内でも使用できるものを選択すれば、ローミング扱いで中国国内からこれらのウェブサービスも使えるようになる。なお、何度も渡航する場合には、チャージが可能なタイプを選択すると良い。

香港〜深センのチケットは1,500円程度

気になるチケットの値段であるが、二等席であれば75元(1,000円程度)、一等席であれば120元(1,800円程度)である。カウンターでは何も言わなければ自動的に二等席が発行される。

「中国の二等席なんて……」と思うかもしれないが、乗り心地は日本の新幹線の普通席と同じような形だ。また、所詮乗っている時間は20分に満たない。800円程度の差額を出してまで一等席に乗る必要はあまりない(それに、一等席は一番先頭の車両に設置されており、出入りが極めて不便である……)。

西九龍で香港と中国の国境を超える

西九龍駅では香港の出国と中国への入国を両方とも済ませる形となる。この国境は新たに作られたものであるが、観光名所のようになっており、多くの人が写真を撮影している。

ちなみに、免税店も設置されているが、中身はそこまで期待出来ない。

福田駅に着いたら復路の購入を

復路の購入は、香港でも行うことができるが福田駅でも購入することが出来る。チケットカウンターがあるので、カウンターで日付と車両を指定すれば購入することが可能だ(当日券以外の発行も可能)。

ちなみに、福田駅は基本的にガラガラで、ほとんど人がいない。また、先述の通り入出国は香港に設置されているため、復路で福田駅に乗るときにはとくに入出国の手続きはなく、駅に到着してから(といっても駅は非常に広大で迷いやすい)10分ほどでプラットフォームまで赴くことが出来る。余裕をもったスケジュールで臨んでおきたいが、香港出国時ほどの余裕は必要ない。

このように、これまでは1時間ほど要していた香港〜深セン路線は、この高速鉄道を使うことでわずか20分ほどで到着可能だ。MTRの固いイスに座ることなく、楽に国境を越えることが出来る。

記事ではあまり記載をしなかったが、香港西九龍駅は九龍駅と直結されており、香港国際空港からはAirport Expressを使えば15分ほどで到着することが出来る(といっても、西九龍駅は東京でいうところの「東京駅・京葉線」くらいの場所にあり、10分ほど歩かなくてはならない)。これらの路線を使えば、香港国際空港からのアクセスも非常にたやすい。この路線を使えば、香港と大陸の移動が非常に容易となること間違いない。

Posted by webnetforce