上海のリニア・地下鉄ではApplePayが使える————利用方法を解説

デジタル文化,中国ネタ中国,QR決済・キャッシュレス社会

 

上海のリニアや地下鉄では、「Metro大都会」というアプリを通じて、QRコードで改札を通ることができるようになっている。

しかし今回、ApplePayでの支払いにも対応したとのこと。しかもSuicaとほとんど同じような方法で対応が出来ると言うことで、早速試してみた次第。

現地の対応状況

log1

これは、地下鉄の入口。ここでは、「Metro大都会」のほかに、AliPay、UnionPay、WeChatPayの表記が確認出来る(AliPay、UnionPay、WeChatPayは、これらを使用して切符を購入したり、交通カードにチャージできる、の意)。この「交通カード」を、SuicaのようにiPhoneのなかに取り込むことが出来るのだ。

iPhone上だけで「上海交通カード」を設定する方法(現地カードを持っている必要あり)

iPhoneの地域を「中国」に変更し、ウォレットアプリから「カードの追加」を行おう。この画面で、追加するカードを選択できるようになっているが、ここで「上海交通カード」と「北京交通カード」が追加されるようになっている。

IMG_1791

ここで上海交通カードを選択すると、金額の選択画面が現れる。

IMG_1792

ここで、必要な金額を入力し、次へ進む。

すると、次のように支払いの画面へ進む………が、残念ながら現地カード以外からのチャージは不可。

IMG_1793

現地で購入した交通カードを転送する

しかし我々には、現地で購入した交通カードを転送するという手がある。

先ほどの金額支払い画面には、実は小さく「既存のカードから情報を転送する」の画面が存在している。

IMG_1792-4

ここをクリックすると、カードのナンバーを入力する画面へと転送される。

IMG_1794

ここでカード番号の最初の4文字を入れると、Suicaのように「カードをかざして情報を転送する」画面が表示される。これを使えば、手元にある上海交通カードをApplePayのなかにふくめることが出来る。

現地で購入した交通カードをApplePayに入れる際の注意

基本的に、現地で購入した交通カードは「チャージ」がとても不便だ。最近は現金でチャージを受け付けてくれる窓口も少なく、店員さんに「チャージをしてほしい」旨を伝えてスマホにチャージをしてもらわなくてはならない。

一応、銀聯カードに対応しているチャージ端末も存在しているのだが、日本から持っていくことができる銀聯カード(三井住友銀聯カードなど)には対応していない。はじめに、使用するであろう金額を考えて入れることが望ましそうだ。

また、残念ながらこのカードは、日本のSuicaのように「お店で使える」ということはほとんどない。

実際に使用してみる

下記の動画で、リニア及び地下鉄で実際に使用をしてみた。

リニア

地下鉄

使用した結果

IMG_1806

履歴には、きちんと何で使用したかが掲載されるようになっている。ただし、履歴は3件程度しか保持することが出来ない模様。

管理アプリ「上海交通卡」を使うメリットはあまりないが、WeChatからのチャージが可能

一応、このカードを管理するためのアプリ「上海交通卡」というアプリが存在しており、ここから明細やチャージ、カードの追加等ができるようになっている。……が、明細の反映は非常に遅い。なお、本アプリはウォレットの左下にちょこっと存在しているボタンからAppStoreへ行くことが可能。

唯一使える点は、WeChatからのチャージが可能となることだ。

IMG_1796

WeChatの実名認証を国際クレジットカード(VISA/Master/JCB)で済ませておけば、ホテルの方に送金をお願いすることで(つまり、ホテルの方に1,000元などをお渡しし、同じ金額をWeChatで送ってもらう)、WeChatにチャージをすることが出来る。これを使って、交通カードへチャージすることが出来る。

不足したらちまちまWeChat経由で送金してあげれば問題ないだろう。

まとめ

正直、たかが旅行程度でApplePayを使うというのはマニアしか行わないことのような気がする(それよりも、WeChatとAlipayを使えるようにすることのほうが重要)が、ApplePayがこんなところで暗躍しているのはちょっと意外。

日本のSuicaが交通カードとしてだけではなく、汎用的なプリペイドカードとしての地位を確立している一方で、中国では後者の位置をWeChat及びAlipayがほとんど独占している(たまに、QuickPassに対応しているところもあるが、ほとんど見たことはない)。ただ、せっかくの機会だ。中国に行くときには、中国人が行っている「電子マネー生活」を体感するのが非常によいと思う。是非ともこの方法を使用して、ApplePayで改札を通過したいところだ。