Indiegogoの「Mini PC」はフェイク?詐欺か?徹底検証

2018年7月8日デジタルガジェットAndroid,ガジェット,Indiegogo,Mini PC,Windows,クラウドファンディング

 

以前に、Indiegogoで非常に魅力的なPC「Mini PC」のファンディング募集が始まっていることを記事にした。

しかしながら、「Mini PC」は実は詐欺なのではないか、という疑惑が持ち上がっている。当ブログのコメント欄にも、次のような声が寄せられている。

コメントを読むと同デザインのGole1と別会社としていますがデザイン変更の予定がないこと、未だに内部構造の画像がないこと、PROJECT OWNERが公開しているhttp://www.mipcworld.com の画像がパクリだらけでプロジェクト開始直前に作成されていること、開発者がUSB-Cの規格をよくわかっていないこと、ベンチマークの画像を求められているのに無視していること、等々疑う余地がありすぎですね

そこで、今回は国内外のフォーラムから、MiniPCに関する情報をちょっとだけ収集してみることとした。

国内メディアの「Mini PC」偽造問題に対する言及

以下のサイトでは、明確に「Mini PC」がフェイクであることを注記している。

継続してチェックしていたところ、当製品については詐欺の疑惑が出てきました。

海外での議論

検索したところ、以下のサイトで「Mini PCはフェイク(偽造)かどうか?」の議論が行われていた。

https://pyra-handheld.com/boards/threads/the-worlds-most-powerful-pocket-sized-pc.82953/page-2

偽造であると言われている証拠に関していくつか記載されている。

Indiegogo掲載の工場写真が、Google画像検索からの引用である

既に該当の画像は削除されてしまっているのだが、以前に掲載されていた工場の写真が、Google画像検索で出てくる写真と同一であるとの指摘がされている。なお、当該の写真は「Mini PCの生産を行っている場所」として紹介されていた。

当時Mini PCのIndiegogoサイトに掲出されていた写真はコレである。

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そして、なんとこの写真、Google画像検索で「Electrical engineering」と検索すると、同じ画像が大量に表示される…。

indiegogo-scam-pi-w629

これを見る限り、Mini PCの製造元が生産用のラインを確保しているとは思えない。

Core M3-7Y30の調達価格と比較して、Mini PCは安すぎる

今回、Indiegogoにおいて、Mini PCのCPUはM3-7Y30にアップデートされた。

しかし、M3-7Y30の調達コストはおおよそ281ドル(1,000個を発注した場合)。現在のSuper Early Birdの価格が149ドルであることを考えると、非常に高価である。赤字を垂れ流すこと必至である。

ただし、妥当という意見も

ただし、Acer Aspire E15はi7 8550U(Intelのサイトによれば、409ドル)を搭載し、さらにnVidia MX150を使用しているのにもかかわらず、700ドルで販売されている。ここから、Intelが公表している希望小売価格は、必ずしもメーカーに対する卸売価格ではない、との意見も存在している。

Mini PCは同様スペックのGPD Win2と比較して安すぎる

GPD Win2は、Core M3・8GBメモリ、128GBのSSDを備えているが、価格はSuper Early Birdでも599ドル。

Mini PCとほぼ同価格なのに対して、4倍程度の価格である。
これは、決してGPD Win2がぼっているわけではなく、Core M3の調達などを考えると、妥当な金額であろう。

Mini PC公式サイトで利用されている画像が、全て転用画像

コメントを頂いた内容ではあるが、Mini PCの公式サイトで利用されている画像は、ほとんどが転載だ。

例えば、以下はサイト上で自社製品として歌われているものの画像である。

9.5-mini-p

これをGoogle検索にかけると……

amazon-uk-w620

「PIPO」というブランドで、Amazonで販売されている。また、画像検索の結果では、死ぬほど同じ画像が出てくる。ひとつひとつ調べてみたが、すべて「PIPO」というブランドが出しているものだ。
当然ながら、これはMini PCの開発元が所有しているブランドではない。つまり転載画像である。

上記より、Indiegogoで行われているMini PCの出資は、フェイク・詐欺である可能性が非常に高いと言わざるを得ない。
従って、リスクを取りたくないのであれば、いまのうちに出資を取り消すべきであろう。

Kickstarterとは異なり、Indiegogoにはこのようなフェイク・偽物・詐欺の商品が非常に多い(私が購入した別の商品も、2017年出荷予定なのに未だに出荷されておらず、出資者激オコだったりしている)。
当然ながらクラウドファンディングには一定のリスクがつきまとうが、本件のリスクはかなり高いと推察されるため、個人的には出資の取り下げをするほうが賢明であると考える。

Posted by webnetforce