自宅を10GbE(10Gbps)化する前に――SFP+とベンダロックについて

10GbE環境導入10GbE

 

今回、手探りで事前情報もとくに用意をせず自宅の10GbE(10Gbps)化をしたのだが、事前に知っておけば良かった情報や機材をこちらにまとめて記載しておくことにしたい。

複数台を接続する場合には「SFP+」コネクタを選択肢に入れるべき

10GbE化する中で初めて出てくるものが、「RJ-45」(一般的なLANケーブルの差し口)以外のコネクタを利用することではないか。そしてその端子が、「SFP+」と言われるものである。
実のところ、RJ-45端子を利用した10GbE対応商品は、まだ世の中にあまり登場していない。LANカードはASUSのものがようやく登場したが、複数の10Gbpsに対応したRJ-45ポート(10GBASE-T)を備えたスイッチングハブは、現状では以下の製品くらいしか選択肢がない。

エレコムの商品のみ4ポートとも10GbEへ対応しているものの、他の製品は2-3ポートのみが10GbEへ対応している状態であり、PCが3台以上の場合は正直厳しい。そういった場合には、以下の記事で紹介したような、「SFP+」の製品でそろえていくことを検討するのが良いだろう。

「SFP+」は、ライザーカードも揃っているが、「相性」と「ベンダロック」に注意

SFP+を使った接続方法

SFP+の商品は、上記のようなスイッチングハブのほかにもQNAP等から製品が投入されているほか、ライザーカードについても豊富に販売されている。私が使用しているのは以下の2つを含みその他ヤフオクなどから調達をした。ヤフオクなどでサーバーから取り出した中古品を漁るのはコストを抑えるひとつの方策である。


SFP+での接続を簡単に記載しておこう。例えば、今PCにSFP+に対応したネットワークカードが刺さっており、対向機材としてスイッチングハブがあるとする。ネットワークカードとスイッチングハブの接続に使用する「SFP+」のケーブルは、「光トランシーバー」と「光ファイバーケーブル」から成り立っている。

例えば、光トランシーバーとは以下のような製品で、

光ファイバーケーブルは次のようなものだ。

トランシーバーとファイバーケーブルがひとつになった「ダイレクトアタッチメントケーブル」も発売されており、短い距離であればこちらを利用するほうが簡単である。

なお、

SFP+とベンダロック

なぜここまで細かくケーブルを確認したかというと、この「光トランシーバー」に相性問題があるのである!

PC側にIntelのNICが装着されているとする。例えば、IntelのNICは「Intelのトランシーバー以外受け付けない」ということがあり、この場合にはPC側のトランシーバーはIntel製のものとしなくてはならない。

ヤフオクで機材を漁る際には、その機材がベンダロックされていないか、十分に確認するようにしよう。IntelやHPの製品に関しては、適当に入手をしたケーブルやトランシーバーでは動作しないことがある。

SFP+と相性

先ほどは、機材とトランシーバーの相性について記載をしたが、場合によっては機材と対向機材に相性がある場合も存在するようだ。実ははじめ、以下のIntelチップが搭載された製品を購入し、トランシーバーに関する相性はない旨も確認して購入したのだが使用することが出来なかった。結局返品をすることにしたのだが、担当者からは下記のようなメッセージをいただいた。

Intel X520ネットワークカードとQNAP 308スイッチの間に互換性の問題があり、使用できません。解決するには、QNAPメーカーに相談することをお勧めします

どうやら、対向機器に関しても、製品毎に細かな相性問題が存在する場合があるようだ(にわかには信じられないが)。Amazon等で購入する場合は、販売店に(可能であれば)問い合わせをするようにしよう。

SFP+は扱いづらい部分も多く存在するが、ヤフオクなどでサーバーからの流用品を入手することが出来れば比較的安く調達することが可能だ。10GbE(10Gbps)を安価に実現するならこの選択が間違いないだろう。ただし下調べは忘れずに。基本的には、製品の型番もしくは搭載されているチップでググればあらかたの情報は出てくるので、これらの情報をうまく活用することをオススメしたい。

Posted by webnetforce