iPhone 6 Plus –はじめての(片手で)使いづらいiPhone、その3つの理由

2014年10月13日ガジェット

iPhone 6 Plus

びっくりするほど使いづらい。iPhone 6 Plusのことである。

なぜこれほどまでに使いづらいか、その理由は非常に簡単である。言ってしまえば、AppleはiPhone 3G、いや、初代iPhoneが出た当初想定していたUIを踏襲し続けてしまっていることである。私はiPhone 3Gから今に至るまで発売初日にはiPhoneを回続けていたほどの信者であるのだが、今回のiPhone 6 Plusには霹靂してしまった。その理由をだらだらと記述していきたい。

iPhone 6 Plusが非常にイライラする、使いづらい端末に仕上がってしまったのは、大きく2つの理由があると考える。1つはそのスペックがもたらしている問題(ハードウェア的な問題)、もうひとつはiOS 8の作り込みの問題(ソフトウェア的な問題)、そして最後がUI哲学を崩すことが出来なかったこと(根源的な問題)である。ひとつひとつを見ていくこととしよう。

① スペック不足により、画面描写が追いつかない

これは致命的な問題である。最近のAndroid端末、それも中国で大量に安売りされているようなMediaTek製プロセッサ搭載の端末でも起こらない問題を、アップルは引き起こしてしまった。

多くの記事によれば、iPhone 6 PlusはFullHD(1980×1080)と謳っているものの、内部的には1242×2208を縮小して表示しているらしい。おそらくこのためであろう。設定画面を開いたときや、Safariで何枚ものページを表示していると、縮小されず1242×2208のままとなった画面がたまに表示されてしまう。

おそらく、内部的に処理が追いついていないのであろう。メモリが1GBと少ないためにこのような状態が発生しているのかもなれない。何はともあれ、非常にイライラすることは間違いない。

②iOS 8の作り込みが悪い

iOS 8では、iOS 7以前のアプリの場合、拡大して表示するような設定が組み込まれている。……いわゆる「iPhone 6 Plusはらくらくホンなんじゃないか問題」である。なので割愛する。

③UI哲学を崩すことが出来なかった

iPhoneは、初代からずっと「画面の上部」を触ることで「戻る」「進む」「アプリの個別設定へ行く」等の操作を行うUIを採用してきた。いつからかは忘れたが、途中から「スワイプ」による動作が組み込まれたものの、アプリによって対応はまちまちであった。しかしスワイプが組み込まれた後も、画面の上部にメニューを持ってくるUI設計を崩すことは無かった。つまり、iOS 7におけるフラットデザインを、そのままそっくり採用したのである。

uikit_ui_elements_2x

この画像が、iOS 7におけるUAの基本設計を端的に示したものである。ご覧の通り、同じデザインがiOS 8でも継承されている。ナビゲーションなど、重要な動作は画面の上部に配置する——非常に簡単なルールだ。しかし、iPhone 6 Plusでこれを行うとどうなるだろう?

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……届かない。大きすぎて全く届かない。ちなみに、iOS 8から「Reachability」という、指紋認証センサー(Touch ID)をダブルタッチすると画面が下の方に降りてくる機能が追加されたが、何の助けにもならない。というのも、横幅が大きくどの位置に置いても対角線上に親指を伸ばすことが出来ないため、きついことに変わりは無いのである。

ちなみに、右手でスマホを操作する場合、iPhone 6 Plusを片手で使うことはきわめて難しい。というのは、先ほど紹介した「スワイプ」動作も厳しくなってしまうためである。スワイプ動作はもともと画面の縁から中にめがけて行うものである。従って、右手で使用する場合、左縁に指がかかってくれないと、動作させることができない。この動作がきわめて難しい。正直、無理である。バンカーリングを使っても、ようやく……くらいだ。

ということで、iPhone 6 Plusはきわめて使いにくいデバイスと言わざるを得ない。iPhone 6? 家電店で使ったところ、まあまあ普通に動作するのでこちらなら良いかと思ったが、5.5インチを出してしまったアップルは今後どうするのだろう、と思わずには居られないのである。

そういえば、アップルはiPhoneを最初に発売した際、「5年先をいく携帯電話だ」と語っていた。あれからもう何年もたった。そうか、このUIではもはやダメなのだ。彼らが自ら宣言した「5年後」から、我々は遙か先に来てしまったのだから。