中国の「金盾」を超えるためのVPN(IKEv2, IPSec)/Shadowsocksの速度比較

2018年6月5日金盾対策Linux,Ubuntu,Shadowsocks,VPN,IKEv2,IPSec,プロキシ,金盾対策

 

中国の「金盾」を超える方法として、今回自宅のサーバーに以下の手法を取り入れてみた。

  • VPN接続(IKEv2)
  • VPN接続(IPSec)
  • ShadowsocksR(SOCKSプロキシ)

今回は、これらの環境別にどの程度の速度が出るのかを検証してみた。
なお、速度の計測に当たっては、Googleが提供しているspeedtestを利用した。

自宅サーバーの回線

まず最初に、自宅サーバーの回線から。これがなければ始まらない

home-w562

自宅に設置しているサーバーとしてはまあまあ速度は出ている方なのではないか。これだけ出ていれば、国内からのVPN接続がShadowsocks接続であればなんとか耐えられそう。
ちなみに、自宅サーバーをVPNサーバーとする場合、メインで使用するのはアップロードの帯域である。従って、アップロードの帯域が十分に出ていることは非常に重要。

ソフトバンクLTE回線

softbank-w562

VPN接続などをしない場合のソフトバンクLTE回線の速度。非常に早いのだが、あやはりアップロードに難あり。
果たしてVPNを噛ますと、どの程度の速度となるのか。

IKEv2接続(VPN)

まずは IKEv2接続。Strongswanを用いて構築している。
結果は次の通りだ。

ikev2-w562

14.8Mbpsということで、まずまずの速度。

IPSec接続(VPN)

続いてIPSec接続。これも、StrongSwanを用いて構築している。

ipse-w562

先ほどのIKEv2よりも速い速度となった。

ShadowsocksR接続

最後に、ShadowSocks接続。ShadowSocksサーバーの立て方は、以下にて解説をしている。

結果はこちら。

shadowsocks-w562

そこそこの速度が出た。
だいたい、IPSec > Shadowsocks > IKEv2の順番で速度が出ている。

より精密に、IKEv2、IPSec、Shadowsocksの速度を調べてみる

一度きりの計測ではあまりアテにならないので、各方式3回ずつの計測を行ってみた。

方式回数下り上り
IKEv2151.2Mbps2.66Mbps
228.9Mbps2.74Mbps
329.1Mbps3.57Mbps
IPsec151.7Mbps2.11Mbps
273.4Mbps2.48Mbps
370.4Mbps0.93Mbps
ShadowSocks124.6Mbps0.38Mbps
245.8Mbps0.36Mbps
352.5Mbps0.36Mbps

さっきと全然違うやんけ
平均値は次のようになった。

方式下り上り
IKEv236.4Mbps2.99Mbps
IPSec65.2Mbps1.84Mbps
ShadowSocks50.0Mbps0.37Mbps

ということで、今回の測定では、IPSec > ShadowSocks > IKEv2の順番で速度が出ている状態となった。順列自体は先ほどと変化せず。

中国に行った場合には、特定のプロトコルやIPアドレスが突然ブロックされることもあるらしい。
なので、速度が速ければ良いというわけではない(安定しない場合もある)のだが、中国での結果は別途皆様にお伝えすることとしたい。

Posted by webnetforce