中国の「金盾」を超えるためのVPN(IKEv2, IPSec)/Shadowsocksの速度比較
中国の「金盾」を超える方法として、今回自宅のサーバーに以下の手法を取り入れてみた。
- VPN接続(IKEv2)
- VPN接続(IPSec)
- ShadowsocksR(SOCKSプロキシ)
今回は、これらの環境別にどの程度の速度が出るのかを検証してみた。
なお、速度の計測に当たっては、Googleが提供しているspeedtestを利用した。
自宅サーバーの回線
まず最初に、自宅サーバーの回線から。これがなければ始まらない
。

自宅に設置しているサーバーとしてはまあまあ速度は出ている方なのではないか。これだけ出ていれば、国内からのVPN接続がShadowsocks接続であればなんとか耐えられそう。
ちなみに、自宅サーバーをVPNサーバーとする場合、メインで使用するのはアップロードの帯域である。従って、アップロードの帯域が十分に出ていることは非常に重要。
ソフトバンクLTE回線

VPN接続などをしない場合のソフトバンクLTE回線の速度。非常に早いのだが、あやはりアップロードに難あり。
果たしてVPNを噛ますと、どの程度の速度となるのか。
IKEv2接続(VPN)
まずは IKEv2接続。Strongswanを用いて構築している。
結果は次の通りだ。

14.8Mbpsということで、まずまずの速度。
IPSec接続(VPN)
続いてIPSec接続。これも、StrongSwanを用いて構築している。

先ほどのIKEv2よりも速い速度となった。
ShadowsocksR接続
最後に、ShadowSocks接続。ShadowSocksサーバーの立て方は、以下にて解説をしている。
結果はこちら。

そこそこの速度が出た。
だいたい、IPSec > Shadowsocks > IKEv2の順番で速度が出ている。
より精密に、IKEv2、IPSec、Shadowsocksの速度を調べてみる
一度きりの計測ではあまりアテにならないので、各方式3回ずつの計測を行ってみた。
方式 | 回数 | 下り | 上り |
---|---|---|---|
IKEv2 | 1 | 51.2Mbps | 2.66Mbps |
2 | 28.9Mbps | 2.74Mbps | |
3 | 29.1Mbps | 3.57Mbps | |
IPsec | 1 | 51.7Mbps | 2.11Mbps |
2 | 73.4Mbps | 2.48Mbps | |
3 | 70.4Mbps | 0.93Mbps | |
ShadowSocks | 1 | 24.6Mbps | 0.38Mbps |
2 | 45.8Mbps | 0.36Mbps | |
3 | 52.5Mbps | 0.36Mbps |
さっきと全然違うやんけ。
平均値は次のようになった。
方式 | 下り | 上り |
---|---|---|
IKEv2 | 36.4Mbps | 2.99Mbps |
IPSec | 65.2Mbps | 1.84Mbps |
ShadowSocks | 50.0Mbps | 0.37Mbps |
ということで、今回の測定では、IPSec > ShadowSocks > IKEv2の順番で速度が出ている状態となった。順列自体は先ほどと変化せず。
中国に行った場合には、特定のプロトコルやIPアドレスが突然ブロックされることもあるらしい。
なので、速度が速ければ良いというわけではない(安定しない場合もある)のだが、中国での結果は別途皆様にお伝えすることとしたい。
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