スマホやタブレットのmicroUSBから外部ディスプレイに接続する
2019年11月22日iOS端末関連,デジタルガジェットAndroid,ガジェット
最近のAndroid端末やWindowsタブレットには、microUSB端子こそ搭載されているものの、HDMI端子やDisplayPort端子といった、外部ディスプレイへの接続端子が搭載されていないことが多い。
しかし最近の端末の場合、このmicroUSBが、単なる充電やPCとの接続だけではなく、外部ディスプレイとの接続端子を兼ねている場合が多い。その場合、専用のケーブルが必要となってくるが、端末によって規格が違うため、確認する必要がある。
2つの端子:MHLとSlimPort(MyDP)
国内で販売されている端末の多くは、microUSBから外部ディスプレイへ接続する方法として、MHLもしくはSlimPort(MyDP)のどちらかに対応している。ここではあまり規格の紹介を行うことはしないが、前者はHDMI寄り、後者はDisplayPort寄り……とだけいっておこう。そのままそれぞれの規格の性質を受け継いでいるため、前者はHDMIと互換性のある形式(DVI等)への変換しか行うことが出来ないが、後者についてはVGAにも変換が可能である。
それでは、どのような端末がどの端子をサポートしているのか、実際に見てみよう。なお、お使いの端末がどちらに対応しているかは、必ず取り扱い説明書等に記載があるはずなので、調べてみて欲しい。また、昔はBlu-rayとHD-DVDのように、「このメーカーならこちらの規格」というものが存在していたが、今はそのようなこともないため、十分にご注意を。
MHL
先に記載した通り、MHLはHDMIとよく似た形式を採用した、microUSBをHDMIに変換し、外部ディスプレイへの接続を可能とする規格である。
主に Androidスマートフォンで使用されていることが多く、グローバルメーカーではSamusung, HTC, LG, SONY(Xperia), 国内メーカーではARROWS, AQUOS PHONE等で提供されている。
専用のケーブルは比較的安く、メーカーの専用端末ではなくとも、MHL対応のケーブルを購入すれば使用出来るケースが多い。例えば、下記のようなものが使用可能だ。
SlimPort(MyDP)
先のMHLでは、HDMIによく似た形式であるとご紹介したが、このSlimPortはDisplayPortの仲間みたいなものである。なお、HDMIは家電業界が中心となって策定した規格であるが、DisplayPortはPC業界が中心となって策定している。従って、このSlimPortについては、PC系のメーカーが中心となって策定している点が、対応メーカーにも強く表れている。
主な機種はGoogleのNexusシリーズ、及び富士通のARROW系のWindowsタブレット。正直、国内では対応している端末はほとんど流通していない(多くがMHLを採用している)。そのため、対応するケーブルも価格が高くなっている。
MHLとSlimPortの同時対応はないが、今後はSlimPortへシフト?
MHLとSlimPortは全く異なる規格であり、かつ両者とも正式にはmicroUSBを変換しているわけではなく、単に端末に付属しているmicroUSB端子を「兼用」しているに過ぎない(つまり、充電用のモジュール、PCとのデータリンク用のモジュール、ディスプレイへの接続モジュールが、端末のmicroUSB端子を一緒に利用している)。そのため、MHLとSlimPortの両者とも使える端末は存在せず、今後も出てこないと思われる。
しかし、今後の主役は、おそらくSlimPortへとシフトしていくであろう。というのも、ノートPC等でHDMIからDisplayPortへの移行が2014年以降数多く発表され、今後はDisplayPortのみを搭載する事例が増えてくると予想される中、同様にこの端子についても、DisplayPortと同じ方式を採用するSlimPortを採用する事例が増えると考えられるためである。
現在はMHLに対応した端末が多く、一本MHLケーブルを所有しておくとたまに役に立つことが多い(ただしiPhone利用者を除く……)が、安くなってきたタイミングでSlimPortのケーブルも用意しておくのが良いかもしれない。
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ディスカッション
コメント一覧
貴重な情報どうもありがとうございます。参考になりました。
iOSとちがってPCからポンとファイルを放り込んで開けるAndroidスマホ/タブレットこそ、外部ディスプレイでプレゼンできたらいいのに、規格とかいろいろあるので素人お断りな状態になっていますよね。
いろいろググってみると、いまのNexus5Xや6PではMHL・Slimport(MyDP)の両方が非対応になったとのことでした。
もし対応していたとしても、MicroUSBではなく新しい「USB-C」用の、MHL-HDMI(ないしVGA)のアダプタ、あるいはSlimport-HDMI(ないしVGA)のアダプタそのものが今はありませんし。アダプタで変換変換…で映るかは誰にも分らない。
今後の流れは、有線でなく無線で画面ミラーリングできるMiracastがベストっぽいですね。Android4.2やWindows10だと標準搭載だし、インターネットへの接続なしで機器同士が直接通信するはずですし。
「ディスプレイ側のHDMI端子にMiracastドングルをつけて、Androidの画面をMiracastで無線送信する」「VGA端子のみのディスプレイならVGA-HDMI変換アダプタを介してMiracastドングルをつける」 …これが2016年時点の最適解でしょうか。
Miracastドングルはマイクロソフト社のものが電波が強いと好評のようです。
※本来ならインターネット通信がメインの製品のGoogle・Chrome Castにも画面ミラーリング機能が追加されましたが、これがMiracastのテクノロジを使っているのかどうか、ググっても出てきませんでした。。こっちはインターネット接続せずに使えるかは不明ですね。