SONOSとイケアのコラボで産まれたワイヤレススピーカー「SYMFONISK」を試す(レビュー)

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音質にも妥協しないスマートスピーカーを開発・販売していることで知られている「SONOS」。その「SONOS」が家具量販店のIKEAとコラボをして作られたスピーカー「SYMFONISK 」(シンフォニクス)を購入してみたので、レビューをすることとしたい。

「SONOS」とは

SONOSは米国のオーディオメーカーであり、音質に定評のある小型スピーカーやサウンドバー、サラウンドシステムを多数開発している企業である。スマートフォンアプリを用いて簡単に音響システムを組むことも出来、例えば複数のSONOS製品を組み合わせることによって簡単に5.1chサラウンドの構成を組むことも出来る。

特筆すべきはソフトウェアの充実。当然、「Google Assistant」や「Amazon Alexa」に対応しており、スマートスピーカーとしても使用ができるほか、AirPlay2に対応をしているため、Apple製品があればワイヤレススピーカーとしても利用することが可能。
さらに、SONOSのアプリにはYouTube MusicやApple Music等が組み込まれており、スマートフォンを経由することなく、SONOS単体でストリーミングサービスの音楽を再生することが可能だ。

これまで私が使っていたのは、「SONOS Beam」というサウンドバーがひとつと、「SONOS One」という小型スピーカーふたつ。

合計3つのSONOSでサラウンドシステムを組んでおり、ふたつのSONOS Oneはリアスピーカーとして使用をしている。

イケアとのコラボで誕生した「SYMFONISK」

最近、寝室用にSONOSをもう一台買いたそうと思ったのだが、SONOS Oneは通常価格で2.3万程度と少し高価。もう少し安い価格帯でAirPlay2に対応している製品を探していたのだが、その際に目にとまったのがIKEAから販売されている「SYMFONISK」(シンフォニスク)である。

この製品はSONOSとイケアのコラボにより誕生したもので、デザインをイケア、内部の設計をSONOSが担当しているとのこと。SONOSも「音質はSONOSが保証します」と太鼓判を押している。

ちなみに、注意しなくてはならないのは、SONOS Oneと異なりSYMFONISKはスマートスピーカーとしての機能を有していないことである。AirPlay2による再生やSONOSアプリを用いたコントロールには対応しているが、Amazon AlexaやGoogle Assistantとしての利用をすることは出来ない(この点は、SONOS SLと同じコンセプトなのだろうか?)

SYMFONISKを購入する

私の自宅には近所にイケアなんていうオシャレ店は存在していないので、ネット通販で購入。現在イケアのネット通販は相当に混雑しているらしく、4月中旬にオーダーをし、5月初旬にようやく到着した。

私が購入したのは「ブックシェルフ型」のもの。オンラインショップでは14,990円で購入することが出来る。このほかに、テーブルランプと一体化した製品も販売がされている。

開封

ということで、到着したのがこちら。大きく「SYMFONISK」の文字が書かれ、天板には製品の形状をモチーフとしたイラストが。

大きさが分かりづらく大変申し訳ないが、高さは概ね文庫本二冊分程度。確かに本棚へ設置するには自然な大きさである。
操作ボタンは音量調整と再生・停止ボタンのみで非常にシンプル。SONOS Oneにはマイクが搭載されているため、マイクのオン・オフボタンなども搭載されていたが、本機はこの機能が省略されているためシンプルに仕上がったのだろう。

縦ではなく横に置くことも可能で、横に置く場合には棚として使うことも想定しているらしい。

実は、私は今回横置きにして、壁に直接設置をしようと考えていた。ところが、壁に直接設置をするためには、別売りのブラケットを購入しなくてはならなかったのだ! 商品紹介のページには、こんな形で壁に設置している写真が掲載されていたので、てっきり本機のみで対応出来るのかと思ってしまった。ただ、ブランケットはかなり安価に販売されている。まあ、届くのに時間がかかってしまうのであるが。

端子

端子は極めてシンプルで、イーサーネットと電源ケーブル端子のみ。ちなみに、Wi-Fiにも対応しているため、イーサーネットを用いる必要はない。

地味にうれしいのが、電源ケーブルを通すための溝が本体に付いているところ。それも、縦にも横にも、である。こういったスペースがなく、ケーブルの分出っ張ってしまう製品も多い中、ユーザーが「実は少し不満に感じていたこと」をうまく解消している。

SONOS OneとSYMFONISKの大きさを比較してみる

自宅にあるSONOS Oneを引っこ抜き、SYMFONISKと大きさを比べてみることにした。

まずは高さから。こうしてみると、SONOS Oneがとても小さく感じられる。

厚みもこの通り。てっきり、SONOS Oneのほうがマイク等を備えているため大きいのかと思いきや、思いのほかSYMFONISKのほうが大きくてびっくりした。

初期設定はSONOSアプリから

初期設定やコントロールは全てスマホのSONOSアプリから実行する。SONOSアプリで製品の追加を選択すると、アプリが自動的にSYMFONISKの存在を検知し、設置のガイドラインを表示してくれる。

あとはアプリの指示に従えば、設置が完了する。

SONOS OneとSYMFONISKでサラウンドを組むことは出来ない

SONOSの一番のポイント(と勝手にお持っているところ)は、複数台のSONOSを用いてサラウンドシステムを構築することが出来る点だ。

今回、もともと持っていたSONOS Oneを寝室に置き、サラウンドシステムのリアスピーカーのひとつとしてSYMFONISKを使用しようと考えていた。つまり、「SONOS Beam + SONOS One + SYMFONISK」の構成である。

結論から記載すると、このようなサラウンドの構成を行うことは出来なかった。SYMFONISKは、設定中に次のように「新しいスピーカーとして設定」するか、「既存のシステムに組み入れる」か、選択することが出来る。

ここで、「ホームシアター用のサラウンドスピーカー」を選択しても……

互換性のない製品であると怒られてしまった。

どうやら、サラウンドを組むためには、「SYMFONISK二台」「SONOS One/One SL二台」などと、機材をそろえる必要があるようである。今回試したように、「SYMFONISK 1台 + SONOS One 1台」というような構成は、現時点では実現出来ないようだ。ということで、素直にサラウンドはSONOSで組むこととし、新たに購入したSYMFONISKは新しいスピーカーとして設定をした。

音質

さあ、一番気になるのは音質である。が、あらかじめ言い訳をしておくと、私は耳があまりよろしくなく、音質に関するレビューというのは運動の次に苦手なのである。従って、あくまでも「クソ耳の持ち主」の意見として聞いていただきたい。

正直、音質についてはSONOS Oneのほうが断然良いと感じた。SONOS Oneの音と比べると、SYMFONISKの音はすこし解像度が低く籠もっており、特に高音の抜けが悪いように感じられた。SONOS Oneでは、女性ボーカルの高音などは頭に綺麗に入り込んでいくのに対して、SYMFONISKの場合はフィルターを一枚挟んでいるかのような気分になる。正直、音質で選択をするのであれば、SONOS Oneを購入したほうが良いのではないか。

SYMFONISKはサラウンドシステムのリアスピーカー向き?

ということで、今回はSYMFONISKのレビューを行った次第。SYMFONISKは1.5万円程度とSONOS Oneよりも数千円安い価格で販売されている一方、上述の通りスマートスピーカーとしての機能は削除されており、また音質に関してもSONOS Oneよりは解像度が低い印象を受けた。それでは、この製品はどのように使えば良いのだろうか?

……私は、この製品はSONOS Beam等と組み合わせ、リアスピーカーとして使用するのがベストであるように思われた。 リアスピーカーであればそこまで音質に拘ることはないし、どちらかといえば空間に溶け込んでくれることが重要となる。そして、SONOS OneよりもこのSYMFONISKのほうが、空間へは溶け込みやすい。
同様の製品として、SONOS Oneからスマートスピーカー機能を削除した「SONOS SL」という商品も存在している。「リアスピーカーとして使う」だけであれば、あえてSONOS SLを購入する必要は薄く、本機を購入すれば事足りるのではないか。

一方、単体で使用するのであれば、圧倒的にSONOS Oneをオススメしたい。何よりもSONOS Oneのほうが音質が良く、また形状の性質上部屋のどこに置いてもある程度の音を聞かせてくれる。部屋をSONOSの製品でそろえると、音響システムは格段に利便性が高まるが、全てをSONOS製品単体で整えるのはコスト上厳しい場合も多いことであろう。その場合、このSYMFONISKをうまく組み合わせれば、空間と調和した心地の良い音楽空間を創造することが出来るのだ。

Posted by webnetforce