GoPro用ジンバル「Feiyu Tech G6」を試す(レビュー?)

2018年9月25日デジタルガジェットガジェット

 

先日中国へ旅行に行っていたのだが、持っていったジンバルが旅行中に破損するという悲し意出来事が発生してしまった。
しかしここは中国、数々のジンバルを産みだしてきたジンバルの名所である。さすがにタオバオだけでしか売っていないなどということはあるまい。市内を散策したところ、アクションカメラを販売している店舗を見つけた。見てみると、Feiyu Tech G6が1,300元(23,000円)程度で販売されている。日本で購入すると3万円〜4万円もするはずだから、この価格は相当に安い。ということで、思わず購入してしまった。

Feiyu G6

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Feiyu G6を開封する

といっても、一度開封したものを自宅で再度開封しているのだが。

外箱は至ってシンプル。中を開くと、ジンバルの収納ケース・ジンバル本体・説明書及び保証書が付属している。

残念ながら説明書は全て中国語と英語、かつかなり説明を箸折ったものであった。ただし、Feiyu Techの公式スマホアプリをダウンロードすると、そこから完全なマニュアルを入手することが出来る(ただし、これも中国語か英語しか存在しない)。基本的な操作は、スマホアプリのマニュアルを参照したほうが良いと思われる。

ジンバルの収納ケース。ジンバル本体だけではなく、GoPro等のアクションカメラを取り付けたままこのケースのなかに入れることが出来る。また、この中にはいくつかのアクセサリーを入れておくことも可能だ。

今回購入したものには、microUSBの充電アダプタ、Feiyu G6本体からアクションカメラへと給電するためのケーブル、そしてFeiyu G6の底面についている三脚穴に取り付けることが出来るミニ三脚(という言葉で合っているのだろうか)が付属していた。

Feiyu G6のバッテリは26650

内蔵電池……といいつつ、実際には26650バッテリーが使用されている。裏蓋を回すと簡単に出てくる仕様となっている。

公称12時間持つとのことではあるものの、スマホやGoProとの連携機能でBluetoothやWi-Fiを使用した場合、さらにはGoPro等アクションカメラへの給電機能を利用した場合には、バッテリの持ち時間は相当に減ってしまうと思われる(個人的な体感では、BluetoothとWi-Fiをオンにした状態で、だいたい6〜8時間程度)。使用していない際に少しずつバッテリを充電しておけば良いのだが、そうもいかない場合には追加で26650バッテリを購入しても良いかも知れない。

ただし、純正ではないバッテリを用いることは極めて危険であること、及びバッテリセル単体となると航空機内への持ち込みが制限される場合がある(基本的には問題は無いはずなのだが、この無機質ないかにも「バッテリ」感があると、なんと言われてしまうかは分からない)点には注意が必要だ。

重量とサイズ

写真を見て頂ければ早いが、長さはだいたい30cmくらい。重量は、あまりに重量計が汚かったため写真を掲載することが出来ないのだが、概ね430g(バッテリ装着済み、カメラ未装着)であった。

アクションカメラへの給電

Feiyu G6にはアクションカメラへと給電するためのUSBポートが付属している。

付属品にはmicroUSB to USB-Cしか存在していない(つまり、GoProの利用が前提となっている)が、microUSB to microUSBケーブルがあれば、その他のアクションカメラでも利用することが可能。

実際に給電すると、つぎのような装着感となる。

マウント

Feiyu G6へのマウントは、基本的には付属している金属を用いて行う。

ただし、GoProを取り外す際にいちいちネジを外すのが面倒だったり、そもそもこのネジを紛失しやすい(Feiyu G6の場合、簡単にはネジ単体が落ちないようになっているが、それでも落としそう)というのが何点だ。

よく利用されているのが、この金属マウンタを外し、モビロンバンドで固定してしまうという方法である。この方法でも正常にマウントすることが出来た。

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GoProの場合、さらにここに外付けマイクを漬けることが出来るのかどうか、という大きな問題が存在する。あの大きく取り回しのしづらい外部マイクアダプタが接続出来るのか、果たしてこの小型なジンバルはそれを支えることが出来るのか、そしてジンバルの駆動音が入ってしまうことはないのか……。結論から言えば、このカメラの上部にモビロンバンドを用いて固定すれば、問題なく動作させることが出来た。なお、カメラのシャッターボタンを隠す形となってしまうため、カメラを操作することが面倒となってしまうのだが、その点は後述するジンバルからGoProをリモートで操作する機能を用いれば解消することが出来る。

Feiyu G6の操作方法

Feiyu G6の場合、大きくふたつの操作が可能である。ひとつはジンバルそのものの操作、もうひとつはジンバルを介したアクションカメラ(GoPro及びRX0に対応)の操作である。また、前者に関しては、スマホで一部プリセットを設定することが出来る。

本体を見てみると、上からジンバルの方向を変更するためのジョイスティック、電源及びモード変更スイッチ、そしてカメラと連動させた場合にのみ有効となるカメラのシャッタースイッチが存在している。

電源ボタンを長押しすると、Feiyu G6が起動する。デフォルトではHFモード(パン追従)となっているが、モードボタンをクリックすればLKモード(全方向ロック)、ダブルクリックをすればAFモード(全方向追従)へと変更することが出来る。

モードボタンをトリプルクリックすると、カメラが180度回転する。これは、自撮りと風景撮影を切り替えたいときに便利な機能だ。元に戻す際には、この裏側に存在している別のボタン(トリガーボタン)をダブルクリックする。

裏側の下にある丸いボタンがそれ。ちなみにこのトリガーボタン、セカンドバッチ以降は丸形ではなく楕円型となっているが、機能上の違いは一切存在しないとFeiyuTech自身は説明している。

ちなみに、トリガーボタンはダブルクリックでリセットをするだけではなく、押したままにしているとその際のみLKモードとなるようになっている。歩いているときにはトリガーボタンを押しっぱなしにして、角を曲がる際にはトリガーボタンから指を離しHFモードとする……などと運用すれば、ジンバルをうまく活用出来そうだ。

GoProとの連動

Feiyu G6では、スマホアプリから設定を行うことで、ジンバルの操作パネルからGoProを直接操作することが可能である。シャッターや映像・写真・タイムラプスといったモードの切り替えだけではなく、動画の解像度を変更することなども行なう事が出来る。

具体的な動作は、文章で記述すると非常に長くなってしまうため、YouTubeにアップロードをした動画にてご確認を頂きたい。

実際の性能

いくらジンバルの操作性が良くても、性能が良くなければ誰も欲しいとは思わないだろう。

他のジンバルとの比較となっていない点が大変に申し訳ないのだが、以下に徒歩及び自転車で利用した動画をアップロードしている。なお、下記の動画では、いわゆるジンバル歩き(上下の揺れを最大限になくした歩き方)などは行っていない。

また、Karma Grip(GoPro純正ジンバル)や前機種であるFeiyu G5との比較動画は下記が非常に参考となる。

まとめ

来週にも、GoPro Hero7が発売される予定である。早速上がっている比較動画を見る限り、GoPro Hero7を購入すればジンバルなんて不必要なのではないか……感が若干漂っているのは事実だ。

「Hero7を購入してジンバルは買わない」という選択は、それはそれでアリだと思う。私だって、上述の映像を見た際には「Hero7があればジンバルはいらないじゃないか」と感動した。

しかし思い返したい。テレビやYouTubeに転がっているGoPro映像は(そして上記の映像も)、その道のプロやトップが撮影し編集を行っている映像なのだ。彼らは、GoProを使用する際には歩き方から何から全て心得て細心の注意を払い、さらに編集を行なう事で「人が見ることの出来る」動画を作り上げているのである。そのようなプロ達にはジンバルは不必要かもしれないが、我々素人が果たして同様のことを出来るだろうか。

そう思っておけば、ジンバルのひとつやふたつ購入しておいても損はないだろう。少なくとも「ヌルヌル動く動画が撮れる」という面白さと、まだまだ知名度が低いジンバルという存在を他人に見せびらかす面白さだけは教授することが出来るのだから。

Posted by webnetforce