Parallels Desktopは買い切り版(通常版)とサブスクリプションどちらがオトクなのか?

2021年1月4日Mac関連Mac,リモートデスクトップ,Parallels Desktop,Windows

 

知らない間にParalels Desktopのサブスクリプションモデルが登場していた。Parallels Desktopのサブスクリプションはオトクなのか、確認してみることに。

通常の買い切り版とサブスクリプションの価格差

まずはその価格差を見てみよう。当然、新規購入とアップグレード(継続購入)で少しばかり値段が異なっている。

新規購入の場合

新規に購入する場合、パッケージ版(買い切り版)は9,818円。に対して、サブスクリプション版は月695円と見せかけての年間8,345円。ちなみに、パッケージ版はAmazonで販売されているものと同額。

アップグレード版を購入する場合、通常購入は5,204円に対して、サブスクリプション版は月433円と見せかけての年間5,204円。こちらは、Amazonの乗り換え版よりも多少安い。

これだけ見ていると、サブスクリプション版のほうがオトクに見えるのだが、そもそも機能としては何が違うのか。

サブスクリプション版は、「Parallels Desktop Pro Edition」。機能も豊富で、「Parallels Access」も付いてくる

サブスクリプション版と買い切り版(通常版)の違いは下記の通り。サブスクリプション版では以下も有効となる。
ただし、新規購入の場合ではなく、アップグレード版のみの提供であることに注意。新規購入のサブスクリプション版は、Pro版ではない。

  • Windows アプリケーションの Touch Bar のカスタマイズ
  • Chef/Ohai/Docker/Vagrant との統合
  • ネットワーク調整で速度をシミュレートしてテスト
  • Microsoft Visual Studio プラグイン
  • メニューからデバッグ、仮想マシンのダンプ、SSH セッション
  • 24 時間年中無休の電話およびメールでのプレミアムサポートが30日から無制限に
  • VM当たりの仮想RAMが8GBから128GBへ
  • VM当たりの仮想CPUが4vCPUから32vCPUへ

Parallelsとしては、仮想RAM及び仮想CPUの上限が増えることを推しているのだが、正直そこまでのスペックを持つMacを所有している人はごく一部であろうし、一般的な利用方法ではそこまで魅力的ではない。

また、これ以外に「Parallels Access」という、iPadやiPhoneからMac/Windowsへ接続することが出来るリモートデスクトップ環境の利用権利が無料で付いてくる。通常は1年間で2,000円、2年間で3,500円の費用を要するので、リモートアクセスがしたい方にとってはサブスクリプション版がオトクということになる。こちらのParallels Accessの利用権に関しては、新規購入のサブスクリプション版でも付いてくる。

しかしながら、Parallels Accessに興味がない場合、同じバージョンを長く使い続けるのであればサブスクリプション版よりも通常版のほうが安くあがる形となる。果たしていったいどれくらい長く使い続けることが出来るのか。そこで、Parallels Desktopがこれまでどのようにアップデートをしてきたのか、確認してみることにしよう。

Parallels Desktopのアップデート歴史

年月Parallels目玉機能
2019年8月15Catalina対応
2018年8月14Mojave対応
2017年8月13High Sierra対応
2016年8月12Sierra対応
2015年8月11
2014年8月10Yosemite対応

はい、ようするにmacOSのバージョンが上がる度に、その新しいバージョンに対応するParallels Desktopを毎年出しているわけです。従って、macOSを必ずアップデートする方は、毎年購入しなくてはならないのは明らか。このような方の場合には、サブスクリプション版を購入しても良さそうだ。

「良さそうだ」としたのは、12ヶ月のサブスクリプションと通常版の価格が同一である以上、「毎年通常版を買っていく」という選択肢もあるためである。さらに、通常版はたまにセールを行っているため、安く購入出来ることも多い。一概に「サブスクリプションがオトク」とはいいずらいのである。

ここから先は、アップグレードをする方と、新規にParallels Desktopを導入する方に分けて記載をする。

【アップグレード】サブスクリプション版を買うべき方

というわけで、次のような方はサブスクリプション版を購入すべきである。

  • Parallels Accessに魅力を感じる方
  • Parallels Desktop Proに魅力を感じる方
  • macOSを毎年アップデートしており、特に何の手続きも無く最新版のParallelsを使い続けたい方

【アップグレード】通常版を買うべき方

逆に、通常版は次のような方にオススメであろう。

  • macOSのアップデートを、macOSが発売された直後には行わない方。あるいは、古いバージョンをそのまま使い続けている方
  • macOSを毎年アップデートしているが、Parallelsからたまに発売されるセール品の購入をまってOSのアップデートをしても問題の無い方
    • 注) Parallels Desktopは、古いバージョンでは最新のmacOSに対応しないため、macOSをアップデートした後にはParallels Desktopもアップデートしないと使い物にならなくなる

【新規購入】サブスクリプション版を買うべき方

  • Parallels Accessに魅力を感じる方
  • macOSのアップデートについて行くタイプであり、新たなParallels Desktopが出る前(9月に発表されるので、1月以降くらいだろうか)に導入される方

【新規購入】通常版を買うべき方

  • 新たなParallels Desktopが発表されて間もない方
  • macOSのアップデートをmacOSが発売された直後には行わない方。あるいは、古いバージョンをそのまま使い続けている方

新規購入の落とし穴に注意

新規購入は、実は時期やmacOSへの対応によっては非常に難しい。サブスクリプション版を選んだ場合には、契約から一年後に「アップグレード版」への契約変更を行う必要がある一方、買い切り版の際には改めてどちらを購入するかを選択することが出来るほか、買い切り版は頻繁に値引がされており、VMware Fusion等からの乗り換え版は恒常的に安めに発売されている。

何も考えないのであれば、パッケージ版を購入しておき、新しいmacOSが発表された段階で、アップグレード版を選択するか、サブスクリプション版のアップグレードモデルを選択するかを選ぶのも良いように思える。

何を隠そう、私も先日macOS Catalinaへアップデートをしたところ、Parallels Desktop 14が動かなくなってしまい、Parallels Desktop 15へアップデートしたばかりなのだ。その際に「サブスクリプションモデル」の存在を知り、どちらにしようか悩んでいた次第。既にパッケージ版を購入してしまったのだが、macOSのアップデートは慎重になる派なのと、Parallelsのセールを狙う派なので、これで良いかも。